年の最果て（A.D.2019）

今年も大変お世話になりました

今年6月に収蔵数226冊からはじまったLibrary Cafeは、いつの間にか875冊になりました。わずか半年で4倍近くの本を収蔵できたのは、Library Cafeを応援してくださっているたくさんの皆さまに支えていただいたおかげです。

本をご寄贈いただいた寄贈者の皆さま、本を読みに来てくださっている利用者の皆さま、そして作品を書いてくださっている作者の皆さまに、心から御礼申し上げます。またFreeSpaceAsuka内で「図書カフェだより」を連載することをお許しいただいているサイト運営者Shadow様にも、この場をお借りして御礼申し上げます。

本はブリタニアの自由を象徴する、素晴らしい文化のひとつです。誰もが気が向いたらいつでも本を読める、自分が書いた本が誰かに読んでもらえる。それがこの世界の「当たり前」であり続けることが、Library Cafeの願いです。そのために来年も本の収集、整理、保存、公開に努めてまいりたいと思います。

今年最後の「図書カフェだより」は、次の1冊を紹介させていただきます。

Dali the Vagrant作「Last Resort」

灯台島を築き守ってきた男の心に浮かんだ疑問。それは放浪者であるはずの自分が、この場所に居続けていることへの違和感でした。灯台島を離れる決心をした男は島の管理を委ねる相手を探しますが、なかなか見つかりません。苦悩の果てに、男が出した答えとは・・・。

200ページの本8巻に及ぶ七五調の長編叙事詩「灯台島通信」シリーズの最終巻ですが、この本は40ページとシンプルな内容になっています。11月に作者のDaliさんご本人からご寄贈いただいていました。でも今年の締めくくりに紹介させていただきたいと思い、今まで取り上げさせていただくのを控えておりました。

実は私は、Library Cafeの蔵書が増えていくにつれ、責任の重さも増していくように感じておりました。本には作者や読者の「思い」がつまっています。皆さまから信頼していただいてお預かりしている何百もの思いを、私の不注意やわがままで消してしまうことはできません。

そんな重圧を少し軽くしてくださったのが、本書中の次のような言葉でした。

自分ルールを　自分で作り

それを守るか　破るかさえも

自分で全て　決めていく

そういう遊びの　種をまこう

もしかしたら私も、いつの間にか作っていた自分ルールにとらわれ過ぎていたのかもしれません。Ultima Onlineは私にとって大切な「遊び」です。Library Cafeの運営も楽しいからこそ始め、そして続けています。それが重荷になってしまったら本末転倒です。

もしリアルの都合でUOにログインできなくなったら、アカウントを維持するだけでもいい。万一それさえ難しくなったら、その時は皆さまと相談させていただき、一緒に最善の方法を考えてもらおう。そう思うだけでも、だいぶ気持ちが軽くなりました。

もちろん今はLibrary Cafeの運営を心から楽しんでいます。年明けには「黒熊亭～読書の秋」の応募作品30冊が加わり蔵書が900冊を超える予定です。大きな目標である蔵書数1000冊も見えてきます。すでにLibrary Cafeのすぐ近くに土地を確保している別館（Annex）の開館も準備しなければなりませんね。

Annexは本館とは違うコンセプトの内装にしたいですし、作家さんたちのレンタルベンダーも置きたいと思っています。桜や出雲の図書館と一緒に文芸イベントをしたいな、なんていう夢も持っています。何より新しい本を読む時の喜びに勝るものはありません。そうそう、私自身の新作も書かないと。

来年も皆さまと一緒に、この世界をのんびりゆっくり楽しみたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

なお、今回取り上げさせていただいた「Last Resort」は、Library Cafeの庭のテーブルにある特集コーナーに設置しております。ご覧くださいませ。

本年も本当にありがとうございました。来年もLibrary Cafeをよろしくお願い申し上げます。どうぞ皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

2019年12月30日

Library Cafe司書　Latour

今回もお読みいただきありがとうありがとうございました。ぜひ飛鳥シャードの図書館、Library Cafeにいらしてくださいね。また桜シャードの図書館、New Magincia Petrushka Library、出雲シャードの図書館、Magincia Libraryもよろしくお願いいたします。

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Profile

Latour: Latour（ラトゥール）と申します。みなさんには「ラー」あるいは「司書」と呼んでいただいています。
飛鳥の図書館カフェ「Library Cafe」で司書をしているかたわら、私自身も作家活動も行っています。
本業は「人間も動物も治療できる専業ヒーラー」だったのですが、最近は冒険に出かけることもほとんどなくなり、図書館にこもってばかりいます。
プロフィール画像はるくさんに描いていただきました。