【図書カフェだより】書き手のこだわり座談会③

Library Cafeについて

飛鳥シャードにあるLibrary Cafeは、ウルティマオンラインのプレイヤー作家が書いた本(PC本)やNPC本の収集・公開を行っている図書館カフェです。Library Cafe本館)Annex(別館)、Neo(新館)の3つの図書館に分けて収蔵されたたくさんの本たちをどなたでも読むことができます。

Library Cafe本館にはルナゲート近くのFreeSpaceAsukaさんからハウス間テレポーターでお越しいただくのが便利です。また本館・別館・新館の各館はテレポーターで相互に結ばれており、簡単に行き来することができます。詳しくはLibrary Cafeへの行き方と他シャードの図書館紹介をご覧ください。

Library Cafe5288の本たちの詳細は所蔵図書リスト(飛鳥)250725をご覧ください。またSA本の収蔵状況についてはこちらをご覧ください。

X(旧Twitter)でも本のご寄贈など日々のLibrary Cafeの様子をご紹介しています。あわせてご覧くださいませ。

 

Library Cafe倭国について

倭国シャードのルナ城内、銀行の西側を出てすぐのところにある集合住宅のあぴーと内にあるLibrary Cafe倭国は、倭国で書かれた物を中心にここにしかない本が何冊も収蔵されているほか、館長えみゅさんによるカスタマイズと内装が素敵です。こちらにもぜひ足を運んでみてくださいね。

Library Cafe倭国515の本たちの詳細は収蔵図書リスト(倭国)250725をご覧ください。

 


今回は第1回第2回に引き続き、「書き手のこだわり座談会」の第三段をお届けします。マシュマロでいただいたご質問に、Chandra(画像一番右)さん、HidokuKurai SORAさん(画像右から2番目)、Grenさん(画像左から2番目)、Latour(画像一番左)が答えます!

 

物語の作り方

何となく作っているので難しいですが…一応、構成は起承転結、序破急といった基本型は意識してることが多いかもしれません。読み手としては読みやすく、気持ちも盛り上がりやすいかなと思いますし、作る方としても「今はこの辺り」と意識しやすいです。スタンダード過ぎてつまらなく感じるなら、そこから変法していく方が軸はぶれにくいように思います。 登場人物は「会話だけで誰が喋ってるか分かる」というのは意識します。名前、性格、見た目など似たような人物は出来るだけ避けます。キャラクターを作るのはふっと思い付くときもありますし、なかなか出てこなくて頓挫させるくらいならば、良くあるテンプレートな形(例えば厳格な女騎士、お調子者の盗賊など)で骨格を作ってから、人物像や過去を考えることで自分なりに満足できるキャラクターに仕上げていくこともある気がします。 ストーリーは書きたいシーンやテーマに繋げていくのにどこから始めてどう展開したら良いかをひたすら考えるしかないですかね。満足いくようなプロットができない時は書き始めることで、徐々に出来上がってくるときもあります。後は読み手目線で分かりにくさ、違和感、破綻などがないかを何度も確認して気になるところは修正します。

グレンさんの「お話の作り方」は全体的に職人技っぽいと感じていますが、この部分は特に名人芸という感じがします。筆者本人は作品世界にどっぷりつかっているので、ついつい独りよがりな書き方になりがちです。夢中で執筆している時なんて特に・・・。創作に熱中しながらも、冷静に作品を見る客観性のようなものが必要ですね。読みやすさなども意識していらっしゃる印象です。

 

レイアウトが読みやすいっていう感想を貰うことが比較的良くあるんですよね。 でも個人的にはレイアウトより文章、段落、章の繋がりというか流れみたいなのを意識しているのがあって読みやすさに繋がるとしたらそっちのおかげじゃないかな…って思ったりします。

 

私がお話作りで最初に考えることは、なんの話にしようか、です。 一作目『木箱の中身』なら、詐欺師の話にしよう、 二作目『鍵のかかった箱』なら、ギャンブルの話にしよう、 三作目『投票箱』なら、選挙の話にしよう、 という感じです。 それからプロットとトリックを考えますが、どちらが先かというと、作品により異なります。 例えば、二作目は明確にトリック(ギャンブルのイカサマとその攻略法)を考えてから、筋立てを考えていきました。 プロットが頭の中にできあがったら、実際に文章を書き始めます。 と、これでは前にあった質問の回答のコピペなので、構成について少し触れたいと思います。 三作目の『投票箱』では、最初はもっと時間軸のカットバックを多用する構成を考えていました。 しかし、時間が行ったり戻ったりすると読みづらくなると思ったので、基本的に時系列の順で進行させることにしました。 ただ、それでは冒頭が単調になってしまうと考え、書き出しだけアダルベルトとウィルバーが依頼を受けるシーンにして、その後二人の再開シーンまで戻ってそこからは時系列順としました。 私が構成について一番気を使ったのは、この作品となります。 登場人物については、できるだけ少なくするように気を付けています。 あとはいわゆる登場人物の出し入れですね。読者に余計な疑問(あの人はどうなっちゃったの? など)ができるだけ残らないようにということは気を付けています。 線太字はUO本。以下同じ

チャンドラさんも職人芸的なイメージがあります。グレンさんが設計図をもとに家を建てる大工とすれば、チャンドラさんは精巧な細工を施す細工師のイメージです。「間が行ったり戻ったりすると読みづらくなると思ったので、基本的に時系列の順で進行させることにしました」や、「読者に余計な疑問(あの人はどうなっちゃったの? など)ができるだけ残らないようにということは気を付けています」などは、やはり「読者がいかに読みやすいか」に丁寧に気を配っていらっしゃる姿勢がうかがえて勉強になります。

書き始める段階ではあまり明確な考えを持っていないのですが、だいたいいつも、まず形にしたい感情の塊みたいなものがあって、それに一番近い雰囲気の人物が浮かびます。次にその人がどんな人か掴めるようになるまで繰り返し冒頭を書き続けます。何度も何度も書き直して、物語全体の手触りや色合い、匂いを自分に馴染ませながら、象徴となる物や印象的な言葉を見つけたり、その人が何をどうしたいと思っているのかを考えていきます。それは一人だったり、複数になったりしますが、この段階で生まれた人は、たぶん物語が終わる頃には何かしら心情の変化や成長がある人になると思います。 私はそれが物語であり、読んで頂いた人に何かを考えて貰えたり、感じて貰えたりする部分で、そこがエンターテインメントとして楽しめる部分だと思って書くようにしています。表現したい事とエンタメのバランスはいつも難しいです。 ちょっと話が逸れましたが、そういう事なので、あとはそれを表現するために、その人たちが抱えているものに対して、どうすれば自分が納得できる形の回答が出せるかを考えながら、出来事やその他の登場人物を作っていきます。 その結果としてできた物語が当初自分の中にあった感情と一致するかは分からなくて、話を書いている途中で変わっていったりもします。 出来事が浮かばない時は、登場人物達に好きに会話をさせて、良い会話が生まれたら、そこに至る物語を遡って書くこともあります。 起承転結や序破急は、話に詰まった時に当てはめてみて、次の展開を考えるヒントにしたり、いらない部分を消したりするのに利用する感じです。 言葉にするとこんな感じですが、行き当たりばったり感が強く、200ページに収まらなくなって、だいたいいつも茫然としてます。

グレンさんが大工、チャンドラさんが細工師だとすると、そらさんは芸術家肌だと思っています。「形にしたい感情の塊みたいなものがあって」という言葉はまさにそんな感じですね。パトスの表現みたいな。「表現したい事とエンタメのバランスはいつも難しいです」とおっしゃる部分は、この部分は作家であれば誰もが悩むポイントだと思います。作家にはまず書きたい衝動なり創作欲求があり、それが原点なのですが、一方でそれを誰かに読んでもらうのであれば、独りよがりにならず、読者が楽しんでもらえるような工夫が必要です。お三方ともその辺りをしっかり意識していらっしゃるのですね。

私はまず書きたいことが浮かぶところから始まります。それはワンシーンだったり、ひとつの台詞だったり、漠然としたイメージだったりします。それをメモに書いて、頭の中であれこれ想像しながら、浮かんだイメージやフレーズをメモに足していきます。それがある程度溜まると、登場人物たちが私の頭の中で勝手に動きだしたりしゃべったりするようになります。ここまで来ると、物語の大枠はだいたいできています。 主な登場人物(名前のあるキャラ)は原則として3人までと決めています。それ以上出すと読者が区別しにくくなりますし、また最大でも200ページしかないUO本では、4人以上の人間関係は複雑になってしまうのではないか、と考えるからです。私は20ページ本、40ページ本を執筆することが多いのでなおさらです。 物語の構成はそれほど厳密に組み立てているわけではありませんが、なるべく終盤に何らかのどんでん返しや伏線の回収を盛り込み、読んだ時に爽快感を感じていただけるよう意識しています。 その後、UO本に直接書き込んでいくのですが、見開き2ページでひとつの段落が完結するよう調節しながら書いていきます。その過程で文章を増やしたり削ったりします。新聞小説の連載みたいなイメージでしょうか。 また何ページの本であれ「最終ページまで埋める」ことをルールにしているので、そのために文章を大幅に増やしたり削ったり、物語の筋を変えたりすることも多いです。 また改行の仕方についてもマイルールがあり、例えば名詞の途中で改行しないようにするなど、文章を調整します。 これらは読者が読みやすいための工夫でもありますが、こうした縛りの中で四苦八苦することで、私自身も思いつかなかったような、あっと驚く展開やオチが生まれることがあり、それが私にとっての創作の醍醐味になっています。 最終ページまでひと通り書き終えたら、推敲を何度も繰り返します。読むたびにどこかしら修正をします。そうすることで、不純物が取り除かれ、純粋な結晶のような物語になっていく、と思っています・・・。

改行の仕方は私も本当に拘りますね…妥協もしますが…。

 

 

 

読者にあえて負荷を掛ける…突き放すような作品もあると思うんですが、どうしても読み手を選ぶ気はしますね。自分は分かりやすい本ばかり読んできている気がするので、もう少し読書の幅を広げてみようかな…と最近は思ったりします。

 

 

UO本を書く(読む)きっかけ

書き始めたのは文芸イベント「黒熊亭 〜読書の秋〜」(2019年)を開催したのがきっかけです。

 

 

 

作家デビューがご自身主催の文芸イベントってすごいですね。そして「黒熊亭~読書の秋」って第1回飛鳥文学賞(2020年)より歴史があることに驚きました。「図書カフェだより」を読み返したらちゃんと記事に書いてありました。
読み始めたのは確か北斗ブリティン首長のアンさんが開催されていた「ブリテイン文芸大会 [Fourth] ~アンさまを離さないで~」(2018年)だったと思います。
私がUO本を書きはじめたきっかけは、前にも書きましたが、2004年に発生した、ペットの幽霊が数か月にわたって消えなくなったバグです。この時は、ブリタニア中にあふれ返ったペットの幽霊たちを飼い主の元に戻すため多くのプレイヤーが協力しました。私も「ペットの幽霊捜索隊」に参加したひとりです。やがてバグは解消されましたが、この時のことを記録に残したくて、はじめて本を書きました。それが『Don’t Forget Me(忘れないで)』(上下巻)です。UO本を読むようになったのは、親友に勧められたのがきっかけでした。本好きだった彼女に勧められて、Black LadyさんやKonayukiさんの作品などを中心に読むようになりました。自分でも本を書きはじめたのは、それからしばらく後のことです。
私はらーさんとの出会いがきっかけです。 20年も前にお別れしたUOの友人たちの事が忘れられずに、2019年にEJで復帰しました。 そして、すぐにらーさんと出会いUO本と図書館、Library Cafeの事を教えてもらい、私にも本を書いたらどうかと勧めてくれました。私は、自分の思い出をUOの中で本に出来たら、もうすっきりしてUOの事を思い出して悶々することもなくなるんじゃないかと思って書いてみようと思ったって感じです。その時からちょこちょこは他の人の作品を読んでましたが、しっかり読もうと思ったのは第一回黒熊亭読書の秋にお邪魔したときだと思います。ギルドのイベントにいきなり誰こいつみたいなのがお邪魔してきて、グレンさんはさぞ驚かれたと思います…。 その節は構っていただきありがとうございました…。
『HardBoiledPotatoSalad』ですね…

 

 

 

素晴らしい作家さんの誕生のきっかけになれて光栄です。

 

 

 

書くきっかけは、前にあった質問への回答通りで、飛鳥文学賞です。 読むきっかけも、飛鳥文学賞です。EJアカウントなのでロックダウンされている作品を読む機会がなかったのですが、飛鳥文学賞に参加するにあたって、Latourさんがベンダーで販売していた本を買って読みました。

 

わ。私の本を読むきっかけにしてくださったんですね。ありがとうございます。 少し話がずれてしまいますが、「EJさんがロックダウンされている本を読めない」というのは、ブリタニア文芸界における課題のひとつだと考えています。今のところベンダーがほぼ唯一の手段なので、活用する方法を検討したいと思っています。

 

ベンダーで一冊ずつ販売するとなると作者の許可がいるのと売れるスピードによって補充の大変さはありそうですね。EJアカ以外の人も買いそうですし…。実際のところEJアカで、かつ読みたいと思っている人は意外と少ないかもしれないので、どのくらいいるかの把握で試してみても良いかもですが…

 

EJで復帰して図書館に来たけれど読めなく残念、という方がけっこういらっしゃるので、意外と需要はあるのではないかと思います。手を挙げてくださった作家さんのベンダーを期間限定でLibrary Cafeに並べる「EJアカの本まつり」みたいなイベントをやってみましょうか。補充は司書にお任せください。

 

 

看守にお願いする10冊

リアルの本でお答えします。おそらく時間があって、それがいつまで続くかわからないけど、かなりの長期間になることも考えられるという状態に置かれていると思われます。ということならば、まず、高校の数学物理英文法の参考書山川の日本史世界史の教科書ですかね。 せっかくだから勉強し直そうということで。時間も潰れますし。 それから、囲碁の定石棋譜、詰碁の本。分厚くて収録数の多いやつ。 これで8冊。あとは、『紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見』かな。分厚いし、仕掛けの多い作品なので、繰り返し読んでも発見がありそう。小説内の時間の流れ(ほとんど流れないけど)と、語られる過去のエピソードの年表を整理してみるという暇つぶしをしてもいいかもしれない。 残り一冊は予備枠として残しておきます。すぐに決めろということなら、聖書にします。 太字はリアルの本。以下同じ

囲碁の定石、棋譜、詰碁の本ですか。意表を突かれました。その手がありましたね。囲碁はちょっと憧れるのですが、難しそうで手が出せずにいます・・・。最後に『聖書』とおっしゃったのがすごく印象的でした。 私はクリスチャンではないのですが、聖書は好きでよく読んでいます。教義とかはよくわかりませんが、人類が数千年かけてつむいできた物語、という感じがします。

 

何冊かに分かれているものも一冊としてカウントしてよいのなら、『ターベルコースインマジック』ロベルト・ジョビー『カード・カレッジ』を入れればよかった。 日本語版のターベルコースを貸し出してくれる図書館があるかわかりませんが。

 

私はUO本はClara Ocean『Fisherman’s Supplex(UO釣りくらら)』Ruku『Britannia Atlas(ブリタニアの地名案内)』YUKISTARsF『The Britannnia Compendium of Awuatic Animals(ブリタニア水生生物大全)』。リアルの本は、『文語訳聖書』 神谷美恵子訳『自省録』『文選』、『新古今和歌集』『合本俳句歳時記 第5版』『新明解国語辞典(第4版)』樫木祐人『ハクメイとミコチ』。UO本もリアルの本も、気が向いた時にページをぱらっとめくって数ページ読んで楽しめるものを選びました。 マンガは現在連載中で一番お気に入りの作品です。

これはとても難しかったですね。 刑務所の中にいるのを想像してリアル本、UO本で読みたいなと思いついたやつでいきます。小説、漫画は一冊でも色々思い出して楽しめそうなのを選びました。深沢美潮『フォーチュンクエスト』深沢美潮『デュアン・サーク』Wellen『girl’s Diary』Dali the Vagrant 『放浪のススメ』ロマンシングサガ ミンソトレルソング アルティマニア三国志14公式コンプリートガイド斎藤孝訳『論語』藤田和日郎『うしおととら』原泰久『キングダム』ソードワールド2.5 ルールブックI

WellenさんとDaliさんの作品を選ばれましたか。なるほどです。『フォーチュンクエスト』は本当にお気に入りでいらっしゃいますね。

 

 

なんか長い事さみしくなりそうなんで、色々思い出せるものを中心に。 一冊にまとまるなら頂いた感想文とかもって 行きたいかな…。a book. story of us / Hina,TAIYOUJI,Gren,Niboshi,OUT,HidokuKurai SORA,Latour/accept (relationshipWKK) / えみゅ,cur*駄犬(makoto),HidokuKurai SORA@Asuka,しゅろちん@一番福ツ,hanayuki@Asuka,wave@Hokuto,倭国とめとさん,BAR-chin,たっきー,わるみゅ,金糸雀,麻里♪,Claraディングルの入江 / 藤原新也渋谷 / 藤原新也ヒストリエ / 岩明均月は無慈悲な夜の女王 / ロバート・A・ハインライン地球にちりばめられて / 多和田葉子風の谷のナウシカ / 宮崎駿鬱 / 花村萬月ニンジャスレイヤー / ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼス

『a book. story of us(繋ぎ手たちの物語)』。2022年に7人でつむいだリレー小説。懐かしいですね。オチをつけるのにずい分煩悶したのもよい思い出です。2冊目は2024年のLibrary Cafe倭国蔵書募集企画のリレー小説ですね。花村萬月が挙げられているあたり、なんだかそらさんらしい、と思いました。

 

リレー懐かしいですよね。らーさんのオチのつけ方は、まるで初めから考えてたのかってくらい綺麗で驚きましたw 20数年前のUOで仲の良かった人が筒井康隆、中島らも、花村萬月、藤原新也を勧めてくれたのが自分の読書体験の始まりだったと思います。

 

いちおう、最初のヒナさんのお話を読みながら、なんとなくオチは考えていたんですが、2番目の太陽寺さんの「月打ち上げ&ロケット」というSF急展開で、一気に先が読めなくなりました。くじ引きで最後の番だった私は、ハラハラしながら皆さんのつむぐ物語を拝読していました。

 

好きな10冊というより刑務所内での10冊ということで皆さん思い出深いものとか長く時間を潰せそうなものが多かったですね。

 

 

「バッカニアーズ・デンの牢獄に無実の罪で投獄された状況下で読む10冊」ですからね。「無人島で救助を待つ間に読む10冊」とかでも、またちがったラインナップになりそうです。

 

 

 

ブリタニアで創作する理由

 

飛鳥文学賞に参加するためです。

 

 

楽しいからじゃないでしょうか。そういうゲームの遊び方です。

 

 

私はUOの世界と、そこにいる人たちが好きで、それを表現したいからだと思います。

 

 

ブリタニアで生きている、証のひとつかもしれません。

 

 

 

タイトルの付け方

テーマに合うもの、という前提で。 出来れば一息で言える、短めのものを付けていることが多い気がします。リズム感の良いように韻を踏んだりとか。自分でも発音しやすいものを考えています。時々ですがタイトルを先にふっと思いついてから、それに合うような作品を作っているときもあります。 後はコメディ作品の場合は既存作品のパロディタイトルにしたりもしますね。

 

一作目『木箱の中身』 タイトルを考えたのは、中身が書き終わってから。 宝くじの売り上げの小切手が入った木箱と主人公ウィルバーがオーレリアに渡した木箱の両方の意味をかけて付けました。UO本のタイトルに日本語を使うと文字化けしてしまうということをこのとき初めて知りました。 英語のタイトルにしようかとすごく悩みましたが、締め切り間際だったので結局そのままローマ字表記にしました。二作目『鍵のかかった箱』 タイトルを考えたのは、中身が書き終わってから。 「木箱」というギャンブルの話なので、『木箱の中身』というタイトルにしようと思いましたが、なにか聞き覚えがあると思ったら一作目と同じでした。 それでもいいかとすごく悩みましたが、さすがに紛らわしいだろうと思い、違うタイトルを付けました。 自分でもこの二作のタイトルはどっちがどっちだか分からなくなります。「鍵」がキーアイテム(鍵だけに)になっている方が『鍵のかかった箱』と覚えることにします。三作目『投票箱』 選挙の話にしようとだけ決めて、ストーリーを考える前にタイトルだけ決めました。 「箱」三部作ということにして、これでおしまいということにしようと思ったからです。 ちなみに当初考えていたプロットはまったく違うものなのですが、諸事情により今の内容になっています。四作目『アカリ』 内容をこれまでの三作のエピソードゼロ的なお話にしようと思ったとき、このタイトルに決めました。 私がこれまで書いてきたのは、主人公は別にいたけれども実は「アカリ」の物語なのだ、という意味です。 ちなみに、「アカリ」という名前にしたのは、これまでこのプレイヤーの別キャラとして登場してきた「オーレリア」と「アダルベルト」が「A」から始まる名前だっただからです。 (これは登場人物の名前を考えるときに欧米の人名一覧みたいなサイトを参考にしていて、面倒なので最初のページから選んでいるため、そうなりました) そこで、このプレイヤーはそのシャードに最初に作るキャラクターに「A」から始まる名前を付けるという裏設定があることにして「アカリ」としたのですが、誰にも気づかれていません。五作目『親分と子分』 ラフプロットができた段階で、このタイトルに決めました。 落語のようなノリにしようと思ったので、落語のようなタイトルがいいだろうと考えた次第です。

半角18文字以内の英語のタイトルと、中表紙に載せる日本語のタイトルの2つを付けています。タイトルはたいていの場合は書いているうちに自然と浮かびます。作品中の一文やセリフが多いでしょうか。なるべくその作品を象徴するようなタイトルにしています。お気に入りは『Ultima Offline!(ウルティマオフライン!)』です。タイトル自体が伏線とういかオチになっています。『A Last Supper(最後の晩餐)』はダ・ヴィンチの絵画から取っていますが、絵画のタイトルが『The Last Supper』なのに対してこちらは意図的に『A Last Supper』としています。これは作中の最後の晩餐が一度きりの特別なものではなく、毎晩くり返される出来事である、との意味を込めています。 マンガや小説のタイトルを元にする場合もあります。『A Troll Is Watching(トロルが見てる)』『The Tinker’s Soliloquy(道具屋のひとりごと)』はわかりやすいですね。 『A Librarian Is Born(司書の生まれた日)』は英語タイトルは某映画から、日本語タイトルは某マンガのエピソード名から拝借しています。一番苦労したのは『Twilight of Britannia(この世界の黄昏に)』でしょうか。元は物語の内容を意識した『Login Loop(ログインループ)』という名前でしたが、名前も内容もしっくりきませんでした。発表するのをあきらめて半年くらい寝かせ、改めて最初から書き直し、名前も某歌劇と某マンガから拝借したものに変えました。難産だっただけに思い出深い一作です。

最初は「こういうイメージ」っていうくらいの感覚で、とりあえず仮に付けておいて、書いてる途中で変えていきます。 たとえば「Stones」だけ仮タイトルにして書き始めて、wall of stonesや、farewell my stonesになったりして、書き終わったあとに「Cya, My Stones.」になってた感じです。このタイトルは物語に出てくるいろんなものの意味が込められていて、それはUOそのものも意味してて、Cyaというのもネットスラングっぽい、自分がUOの中で知り、日常的に目にしていた言葉で、その軽さも主人公の心境の変化と合っていて、一言で作品全体を表現できた一番気に入っているタイトルです。 以前は物語と自分の距離が近くて、原案の段階を含めて「私」とか「あなた」とか「私たち」みたいな人称代名詞が入るタイトル候補が多かったんですが、最近はちょっと変わってきました。 何かのパロディとかもじったりするのは自分は考えたことないです。 コメディ作品のタイトルは、インパクトが強かったり勢いがあったり、なんかこう変に考えすぎないで、パッと浮かんだ本能に直結してるようなタイトルにしてるような気がします。

 

座談会をふり返って

皆さま、ご質問にお答えいただきありがとうございました。普段は聞けないお話がたくさんうかがえて楽しかったです。よろしければ、最後に一言ずつ、振り返りなり、〆の一言をお願いいたします。

 

 

色々な話を聞けて興味深かったですね。創作スタイルは10人いれば10人違うんじゃないかなと思いますし、正直なところ、自分のやりやすい方法を突き詰めていくのが結局は良いように感じます。 一方で、読者目線の意識や推敲を繰り返すことなどは共通していて、誰もが一作品毎に苦心しているような姿は勇気付けられるように思いました。 楽しく座談させて頂きました。ありがとうございました。

 

お疲れ様でした。 ほかの人のやり方、考え方が聞けてたいへん勉強になりました。これを読んだ方にとっても参考になる部分がございましたら幸いです。 ありがとうございました。

 

 

とても興味深いお話が聞けて良かったです。 皆さんかなりロジカルに考えていて、なんか自分が感情のままに書いてる野生の動物のような感じで少し恥ずかしいです。私も次に何か書くときの参考にさせていただこうと思います。 ありがとうございました。

 

 

 


今回もお読みいただきありがとうありがとうございました。ぜひ飛鳥の図書館Library Cafeにいらしてくださいね。倭国の図書館Library Cafe Wakoku、出雲の図書館Magincia Library瑞穂の図書館Jhelom Tactics Library、もよろしくお願いいたします(大和のbibliomania桜のNewMagincia Petrushka Libraryはただ今休館中です)

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Profile

Latour
Latour
Latour(ラトゥール)と申します。みなさんには「ラー」あるいは「司書」と呼んでいただいています。
飛鳥の図書館カフェ「Library Cafe」で司書をしているかたわら、私自身も作家活動も行っています。
本業は「人間も動物も治療できる専業ヒーラー」だったのですが、最近は冒険に出かけることもほとんどなくなり、図書館にこもってばかりいます。

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