森の黒熊亭の物語たち②

今回もギルド#RPGさんの文芸イベント黒熊亭~読書の秋」の応募作品を紹介させていただきます。森の黒熊亭では応募作品の感想も募集していらっしゃいます。入口のベンダーに「book」と話しかけると本がもらえますので、作品名と感想を書いてポストに投函してくださいね

 

森の黒熊亭この場所にあります(MEGA STORE様のUO Locatorで表示されます)。またLibrary Cafeの庭のテーブルにも、森の黒熊亭への緑色のルーンを置かせていただきましたのでご利用くださいませ。年内いっぱいは応募作を展示しているそうです。

 

 

それでは、先々週ご紹介できなかった、エントリーナンバー11番から20番までの10作品をご紹介いたします。

 


【No.11】Jeff作「Pizza Krazy」

つむぎは無類のピザ大好きっ子。初恋の人はピザ職人。ピザは完全栄養食と断言し、ピザのためなら世界を敵に回してもかまわない。そんなつむぎのピザを、黒熊亭の常連たちが食べてしまったからさあ大変。史上最恐のPKと化したつむぎは・・・。

 

「好きな食べ物はピザ」というTsumugiさんのキャラクター設定を、一編のスラップスティック・コメディにまで仕立てています。それを可能にしているのは、作者Jeffさんの筆力と、#RPGの個性的な面々がわき役としてしっかり働いているからなのでしょう。

 

【No.12】Leonore作「Life is Beautiful !」

黒熊亭の常連ファルケ。フルプレートの鎧に身を包み、兜のバイザーの隙間からも、その表情をうかがい知ることができません。ある日いつものように黒熊亭にやってきたファルケ。でもみんなの様子が変です。そういえばなんだか頭が軽いような・・・。

 

幽霊術士Falkeさんを主人公にした短編です。その個性的なキャラクター設定が物語の軸になっています。

 

【No.13】Hina作「Young Gren」

ヒナを聞き手として物語る、黒熊亭の店主グレンの若き日の冒険譚です。ユーの片田舎で成長したグレンは、ある日家を飛び出してブリテインに向かいました。そして酒場ブルーボアで宝の地図をもらったことから、グレンの初めての冒険が始まります。

 

長編作品が多い作者Hinaさんにはめずらしい短編ですが、ストーリーがしっかり練られていて、密度のある読みごたえになっています。印象的なセリフがいくつもちりばめられているのも素敵です。

 

【No.14】Hina作「June Boys~ツムギの話」

徳之諸島の片田舎で育ったツムギ。絵が得意だった彼女は絵画コンテストに入賞し、ブリテインの絵画スクールに通うことになりました。クラスメイトは垢抜けた都会っ子ばかり。最初はクラスで浮いてしまいがちのツムギでしたが・・・。

 

「趣味は絵を描くこと」というTsumugiさんのキャラクター設定だけで、145ページの長編ストーリーを書き上げたのは、長編作家Hinaさんの面目躍如でしょう。オリジナルのわき役たちも、みんな個性的で魅力的。さわやかで胸がキュンとなる青春グラフィティーです。

 

【No.15】Jeff作「Great Treasure Hunter」

ジェロームの漁師の息子ジョーダンは札付きのワル。でも道具屋のアビーお姉ちゃんには頭が上がらず、その弟マイケルにも優しく接していました。ある時アビーは、悪徳商人にだまされ莫大な借金を背負ってしまいます。その時ジョーダンは・・・。

 

黒熊亭屈指のトリックスターCaptain Jordanさんの誕生秘話です。キャラクター設定を縦糸に、オリジナルの設定を横糸にして、痛快なストーリーを織り上げています。何よりジョーダンの心意気がカッコいいです。

 

【No.16】Leonore作「Pirate’s Bad Day」

黒熊亭のバーキーパーレナータに食材調達を頼まれて、元海賊のザックは釣りに出かけることにしました。そこに黒熊亭の常連3人娘、シャノンミントロクサネもついていくと言い出します。案の定、一行の乗った船は沈没してしまいますが・・・。

 

黒熊亭の面々の日常がにぎやかに描かれています。彼ら彼女らにとって沈没・遭難くらいは日常茶飯事なのでしょうね。それにしても皆さん、キャラが立っていらっしゃいますね。さすがギルド#RPGといったところでしょうか。

 

【No.17】Nixie作「not Pirate story」(全2巻)

オレ様はキャプテン・ジョーダン。海賊帽を被っちゃいるが、けっして海賊というわけじゃねえ。じゃあなんで被っているのかって? しょうがねえ、いっちょ聞かせてやろうじゃないか。オレ様が海賊帽を被るようになったわけを!

 

森の黒熊亭をはじめて訪れた客にジョーダンが自分の冒険譚を語って聞かせる、という筋立てになっています。それは酒場の常連のベテラン冒険者たちによる、新人冒険者への通過儀礼のようなものなのかもしれませんね。いかにもファンタジー世界の酒場っぽい雰囲気がいい感じです。

 

No.18】Leonore作「Dragon Lady」

ニンゲンに傷つけられた後、甘い言葉でテイムされる。そして忠実なペットとして時間を過ごした後、捨てられる。そんな心も身体も傷ついたドラゴンを癒したのは、ニンゲンの髭面の男でした。やがて月日は流れ、「彼女」は今・・・。

 

この物語の主人公はドラゴンです。彼女が誰なのかは本書を読んでのお楽しみ。これも一種の「ロールプレイ」と言えるでしょう。心が温かくなる短編でした。

 

【No.19】HidokuKurai SORA作「HardBoiledPotatoSalad」(全5巻)

代々トレジャーハンターを家業とする家に生まれたRyuanは、16歳になって独り立ちするにあたり「偉大な」トレジャーハンターCaptain Jordanに弟子入りすることになりました。でも彼は知らなかったのです。想像をはるかに超えた非日常の世界に巻き込まれることを・・・。

 

HidokuKurai SORAさんは、先日ご紹介した「Some Stones Stories」の作者さんで、独特の熱量のある文体と世界観が持ち味の作家さんです。それだけに「#RPGメンバーのキャラクター設定」と「作家の個性」のコラボレーションにおいて、最も激しい化学反応を起こしているのが本作と言えるでしょう。主題に対する大胆な解釈とアレンジ、個性と個性のジャムセッション。文量は圧巻の100ページ×5冊! 読み手の感性までも問われる問題作です。

 

???(匿名希望)作「In the Forest of Yew」

森の黒熊亭には今日もたくさんの人々が訪れます。ベテラン冒険者も、ルーキーも、常連客も、初めて店きた人も。みんな思い思いの時間を過ごしています。そんな彼ら彼女らを優しく見守るまなざしがありました。

 

ある日の黒熊亭の日常が、一人称視点で穏やかにつづられます。登場人物たちの名前は出てきませんが、服装やしぐさから誰だかわかるようになっています。はたしてこの物語の語り手は? 「黒熊亭~読書の秋」をしめくくるのにふさわしい作品です。

 

応募20作品を読み終えて

森の黒熊亭に集う冒険者たちの物語の競演。まるで中つ国の躍る小馬亭(あるいはユキリア世界の五竜亭など)のようですが、登場人物たちの多くは私たちと同じPCがモデルであり、黒熊亭は私たち自身も暮らすブリタニアに実在します。そんな物語世界と現実(?)世界をたゆたうような感覚は、司書として多くのPC本に接してきた私にとっても新鮮な読書体験でした。

 

多彩な作者さんが応募されたこともうれしかったです。ギルド#RPG以外の方も(私を含め)3人参加していますし、初めて物語を書いた方も、ベテラン作家さんもいらっしゃいます。このイベントがきっかけになって、ブリタニアの文芸界がますます盛んになりそうです。作者の皆さん、新作を書かれたらぜひLibrary Cafeにご寄贈くださいませ!

このような文芸イベントを開催してくださったギルド#RPGの皆さんに、心から感謝申し上げます。

 

 


今回もお読みいただきありがとうありがとうございました。ぜひ飛鳥シャードの図書館、Library Cafeにいらしてくださいね。また桜シャードの図書館、New Magincia Petrushka Library、出雲シャードの図書館、Magincia Libraryもよろしくお願いいたします。

 

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Profile

Latour
Latour(ラトゥール)と申します。お気軽にラーと呼んでいただければうれしいです。

飛鳥の図書館カフェ「Library Cafe」で司書をしているかたわら、作家活動も行っています。New Havenの街角で本の行商をしていることもあります。

本業は人間も動物も治療できる専業ヒーラー・・・だったのですが、最近は冒険に出かけずに街中でのんびりしていることが多いです。

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